奇跡。

今朝は なかった うるさい雀の鳴き声。

代わりに セミの大合唱の中、静かに目が覚める。

7月の季節らしくない、 なかなか陽射しのない

今年。  やっと いつもの夏が、セミの鳴き声が始まった!! と安心する朝。

いつもの夏。 いつもと違う夏。

この何日か、自分の心が バタバタ落ち着かず 

平常心を保つのに 大変。 かと思いきや  

仕事に行けば 俊敏に動き、笑顔も出て 元気に過ごし、当然お腹もすく。

大丈夫、仕事場で動ける 笑える …

哀しいかな お腹が すけば 、心に悲しみがあっても食べる、眠る。 亀の甲より 年の功。

悲しみだけに とらわれる若い時とは違う。

色んな事を 受け止めて、この 悲しみの中にも

これで仕方がないんだ、と全身に

答えを感じる事が出来る今、 還暦前。

夏の暑さ、冬の寒さ… 若い頃には

大嫌いだった。  自分が生きているのは奇跡だと思える今は、この暑さも寒さも、有り難い、季節を感じる生身の身体が嬉しい、と思う。

自分は生身の人間で、いつまでも同じ明日が来るわけではないんだと知った今。

命には限りがある事、身体の限界も いつか来る事。今日 1日が無事である事を重ねていく、という事に やっと気付いた 今。

無理をし過ぎて 早くに逝ってしまった あの人…

早いか遅いかを 他者が決めるべきではない。

その事を思って 涙を流すのも、何となく間違いなんじゃないか。

悲しみで涙にくれるのは 何日かの間だけにして。 あとは いつも 最後に会った日の笑顔を

胸に抱いて…。無理をしない、我慢しない、

心に 希望があるなら 、その希望に向けて 早く動き始める様に…

彼女が そう教えてくれている。